←剱岳山頂

夏休みに入った直後にケガをしたせいで、結局、この時期にずれ込んでしまいました。いくつかの山小屋はすでに閉鎖されていましたし、ケガに対する不安もありましたが、快晴・無風の天候にも恵まれ、楽しい思い出が作れました。
弥陀ヶ原の紅葉→

期待していた紅葉は、富山側からの登山口になる室堂までの区間で何とか見られました。これはバスの中からの写真ですが、実物もあまりきれいではありませんでした。
←室堂を出発

朝日に向かって室堂を出発します。今日は、室堂山、浄土山から雄山、大汝山を経由し、剱沢を目指します。
立山カルデラ→

室堂山は、立山カルデラ方面の景色が期待できる展望台になっています。実際、五色ヶ原の絶景と、谷筋には、新しく国の天然記念物に指定された「新湯の玉滴石産地」の新湯の湯煙も見えていました。ちょうど、昔に立山温泉があった辺りでしょうか。
←浄土山の遺跡

室堂山から急坂を上ると浄土山になります。ここの山頂には、阿弥陀堂跡や日露戦争の戦没者供養塔などの遺跡が残っていました。
富山大学の施設→

途中、富山大学の頑丈な施設がありましたが、誰もいませんでした。
←室堂の全景

一ノ越付近からは、室堂がこんなふうに見えていました。ミクリガ池とミドリガ池、地獄谷も見えています。向こうの山は奥大日岳でしょうか。
雄山への登り→

一ノ越から雄山への上りはガレ場になっていました。この付近はスニーカーの観光客もいます。彼らは軽装で、結構早足で歩いています。頂上付近には社務所が見えてきました。
←雄山の頂上

雄山(2,991m)の三角点は写真の手前にありました。右にある雄山神社は、さらに高い場所にあります。国土地理院の地図には標高3,003mと記載されていました。多くの観光客はここから戻っていきます。これから先は、大きなザックと登山靴の世界になりました。
大汝山→

ここが立山最高峰の「大汝山」です。標高は3,015mあります。この先には休憩所もありました。
←別山

大汝山、富士ノ折立(2,999m)、真砂岳(2,861m)、別山(2,874m)を経由してきました。最後の別山への登り返しがきつかったです。ここから剱沢に向かいます。疲れが足にきているので、下るだけですが、結構大変でした。
剱沢→

剱沢のテン場からは、剱岳が正面に見えています。今夜は、ここで疲れをとることとします。
←朝日に映える前剱

翌朝は快晴でした。まずは前剱を目指して出発することにします。昨夜の熟睡で、足の疲れはとれていますが、朝日に照らされた山肌が眩しいです。緊張のせいでしょうか。
鎖場→

剣山荘の裏手から、早速鎖場がはじまりました。特に鎖を使わなくても通過できそうでしたが、しっかりした鎖が設置されており、安心しました。また、鎖場には番号がつけられていましたが、最終の番号がわかっていないので、不安は消えません。
←前剱の頂上

やっとのことで前劔までたどり着きました。ここまではガレ場あり、浮石ありで、結構、歩き辛かったです。標高は2,813mでした。これで行程の半分が過ぎたことになります。
前剱から見る剱岳→

ここまで来ると、本峰が眼前に迫ってきました。黒っぽい山体が「でかい!」と感じさせます。小さい鉄製の橋や鎖場を越えて、近づいていきました。
←いよいよ核心部

平蔵のコルを過ぎると、岩場に張り付いている人影が見えるようになってきました。ここが「カニのたてばい」です。写真の中央、やや上の影の部分にいる人がわかるでしょうか。カーソルをあてると、拡大します。
カニのたてばい→

約15mの高さの岩場を垂直に登っていきます。スタート地点にはボルトが打ってあり、比較的スムーズに通過できました。ただし、そこそこの腕力は必要でした。写真の上部に、人の後ろ姿が写っています。
←山頂

ここがあの山頂です。標高2,999m。写真でよく見る祠はありませんでした。快晴・無風の山頂からは、360度の展望がありました。達成感と心地よい疲れもあり、かれこれ1時間はここにいたことになります。
山頂から見る風景→

山頂からは、剱沢や室堂方面もよく見えました。昨日から今朝にかけて、見上げてきた劔岳から、逆に見下ろす風景が素晴らしかったです。
←富士山も

遠方には富士山の姿も見えていました。
カニのよこばい→

下山を開始しました。混雑防止のため、上りと下りが分けられているコースがあります。この「カニのよこばい」もその一つでした。下りはじめて、すぐにこの 場所にさしかかります。鎖をつかんで、最初の一歩がうまく踏み出せれば、そんなに問題になるような場所ではありませんでした。この鎖は非常に短いものでし た。
←続いてはしご場

「カ ニのよこばい」の次は、はしご場でした。実は、ここが一番「こわい!」と感じた場所です。はしごの先端に手をかけようと、体を乗り出した時に感じた崖の高 さがネックでした。無事に通過して振り返ると、「たてばい」と「よこばい」は、お互いにすぐ近くにあることがわかりました。
頂上部分→

核心部を過ぎて、見上げた頂上部の様子です。荒々しい岩肌は、センリョク岩という火成岩からできています。
←本峰を振り返る

頂上でたっぷり時間をとったため、空腹を感じたので、ここで昼食にすることにしました。心と身体の両方が満腹になった瞬間でした。それにしても、「すごい!」山でした。
おまけ→

最後の下りで、やっと見つけました。雷鳥です。ほっと息のつける瞬間でした。

立山と剱岳

念願だった剱岳は、山小屋も閉まろうかという10月になってしまいました。室堂から雄山、大汝山を経由して、立山と剱岳に登ってきました。1日目の早朝(深 夜)に自家用車で出発し、立山駅へ到着しました。室堂からは、雄山・大汝山経由で剱沢へ移動しました。2日目は剱岳をピストンし、室堂(雷鳥沢)に戻って、温 泉に入りました。3日目は立山駅へ戻って、そのまま自宅へ車を走らせました。何よりも、天候に恵まれた山旅になりました。